【映画】仮面病棟に登場するピエロの目的は?

仮面病棟

大人気の知念実希人原作「仮面病棟」が待望の映画化!
シリーズ累計85万部超というベストセラー小説であり、知念実希人さん自身は作家でありながら現役医師でもあることでも話題を呼んでいました。

テレビCMなどでも、「病棟から脱出することは出来るのか?」といった脱出ミステリー感満載の言葉が発せられる仮面病棟ですが、ここでもうひとつ気になることが。
それは、仮面病棟に登場する「ピエロのマスクを被った男」です。

ここでは、ピエロのマスクを被った男の目的は何だったのか・・・といったような『ピエロの目的』について解説していきます。

ピエロの目的は?

当直室のテレビでは・・・

その日、先輩医師である小堺(大谷亮平)から、どうしても今日1日だけ当直をして欲しいと頼まれ当直医として田所病院へとやってきた外科医・速水(坂口健太郎)は、看護師・東野(江口のり子)から病院内の説明を聞いた後、当直室へ入りテレビを見ていました。

テレビを見ながら時間をやり過ごそうとしたのもつかの間、内線で東野から呼び出されると、速水はテレビをつけっぱなしのまま急いで当直室を出ていきます・・・が、この時、テレビで映っていたのがピエロの男。

このピエロの男がコンビニ強盗をし、目撃者である女性を連れて逃げたという名にとも物騒なニュースでした。

田所病院に現れたピエロの男

速水が急いで行くと、そこには腹部を銃で撃たれた女子大生・瞳(永野芽衣)が苦痛に顏を歪めて倒れており、何事かと驚いていると後ろにピエロがいて、「彼女を撃ったのは自分」、「彼女を治療しろ」と速水に言います。

ここで疑問なのが、コンビニ強盗をして目撃者の女性を連れ去ったピエロが、なぜわざわざ田所病院にケガをした女性を連れてきたのか?という点です。
人質にするにせよ、ケガをしている時点で足手まといになり兼ねません。

すぐに警察を呼ばれてしまうかもしれないリスクがあるにも関わらずピエロが瞳を田所病院へ連れてきたのには、実は「ある目的」があったためです。

仮面病棟「ピエロの目的」とは?

ここで疑問なのは、なぜコンビニ強盗をしたピエロがわざわざ瞳を連れて田所病院に来たのかということ。
コンビニ強盗をしているのですから、逃げなければ警察に捕まってしまいます。

ましてや、自分が銃で撃った女性を連れて「治療しろ」なんて、益々警察に捕まってしまいますし、田所病院に籠城したからといって院内の誰かが通報してしまえばあっという間に警察に方位されますし、警察の目を盗んで逃げるというのもまず不可能です。

ではなぜ、ピエロはわざわざ田所病院に来たのでしょうか。

ピエロはかつて、田所病院の医師と看護師によって祖母を殺されていました。
正しくは、祖母が臓器を抜き取られてしまったことで寿命が縮んで死んでしまったというもの。

田所病院は、決して病床の数も多くなければ寧ろ経営難といってもいい小さな病院でしたが、にも拘わらず身元不明のお年寄りや若者を積極的に保護・入院させていました。

その理由というのが「臓器を抜き取り金持ちから大金を貰うため」といった、弱い者から臓器を抜き取り権力者などに臓器移植をし多額の報酬を得るというとんでもないもので、ピエロの祖母は、その犠牲になったうちのひとりだったのです。

ピエロは、田所病院の違法な臓器移植のせいで祖母が死んだことに強い恨みを抱いていたことから「田所病院を告発し社会的に抹殺してやろう」と復讐を企んでいたのです。

しかし、田所病院に来ることになった大きな理由になったのが、瞳の存在でした。

ピエロとのそれぞれの関係

ピエロと瞳の関係

ピエロと同様に瞳もまた、田所病院の違法な臓器移植手術の犠牲となってしまった姉の復讐をしたいと強い恨みを抱いており、ピエロと同様に田所病院の罪を世間にぶちまけて復讐したいと考えていました。

同じ境遇の瞳に同情しただけでなく、自分も同じ目に遭っているからと少女の気持ちに強く共感したピエロは、瞳の復讐が成功するよう、瞳と共謀し田所病院へとやってきたのでした。

とにかくド畜生な田所院長

田所病院の院長(高嶋政伸)は、違法な臓器移植をリスト化していましたが、これは田所院長自身が自分の身を守るために作ったものでした。
自分が消されないように記録に残しておこうと考えたのです。

田所院長が違法な臓器移植のリストを作っていたことを知っていたピエロと瞳は、このリストを手に入れて世間に公表しようと計画して田所病院を占拠していましたが、それを聞かされてもまだ田所院長は、「世の中には生きる価値のある人間と、その価値のない人間がいる」と、人の命に価値があるだのないだの言いだします。

挙句の果てには、ここまで追い詰められてもまだ速水を買収しようとする始末。
これには、速水も条件を飲みそうになりますが、瞳に叩かれて我に返ります。

そんな田所院長を見たピエロは激怒し、違法な臓器移植手術のリストを見せるように言いますが、素直に渡すはずがない田所院長・・・もうこの人は、一番どうしようもない人です。

事件とは無関係と思ってしまいがちな小堺だが

速水に当直を頼んだ小堺ですが、小堺はかつて速水が付き合っていた恋人の兄。
速水の恋人は、3ヶ月前に交通事故で亡くなっていました。
人間関係から見ても、当直を交代しているところを見ても、何も関係ないように見える小堺ですが・・・では、なぜ小堺は自分の代わりにと速水に当直を頼んだのでしょうか?

映画の後半、で速水は「生体腎移植を行う場合、医師が2人必要である」ということに気付きます。
しかし、田所病院にいる医師といえば田所院長ただひとり。
速水は外科医ではあるものの臓器移植手術の経験などなく、そもそも田所病院はそんな大掛かりな手術を行うような病院ではありません。

ところが、田所院長は権力者などと繋がっており秘密の手術室で違法な臓器移植手術を行っていたためもうひとり医師が必要になりますが、その医師こそが小堺だったのです。
そういった理由から、小堺も復讐の対象に入っていたため殺されてしまいました。

ピエロと瞳の復讐の目的は同じようで違う

瞳は、大好きだった姉が違法な臓器移植手術のために身体から臓器を抜き取られて殺されてしまったため、田所院長と、その臓器を移植された政治家を殺害するのが目的でした。

一方で、ピエロも瞳と同じように違法な臓器移植手術のために使用するために祖母の身体から臓器を抜き取った田所病院を恨んでいましたが、田所院長が作成していた臓器移植手術のリストを入手して世間に公表して、田所院長や看護師らを破滅に追い込むつもりでいました。

いずれも「田所病院に復讐する」といった共通点はあるものの、瞳は「殺害」を目的とした復讐であり、ピエロは「告発し社会的に抹殺する」といったことを目的とした復讐であることから、気持ちは同じですが望んでいる結末が似ているようで実は全く違います。

この点から見ると、まだ若い女の子である瞳の方が人間としての経験がまだ未熟な分、違法な臓器移植手術に関わった全ての人間に対する恨みの念が非常に強く、かつ感情的であることが伺えます。
まだピエロの方が優しいのでは?と思えてくる一面でもあります。

瞳と速水の共通点は?

速水は、田所病院の当直医としてその日病院にいたので瞳やピエロに殺されてしまっても十分おかしくない存在でありながら、なぜ殺されなかったのでしょう?
これは、瞳と速水にある「共通点」があるためです。

速水が以前付き合っていた恋人が交通事故に遭ってしまうが、搬送先の救急病院がなかなか見つからなかったため恋人を失っており、助けることが出来なかった自責の念がある。
瞳は、親から虐待されている自分を守り親代わりになり一生懸命自分を育ててくれた姉が自分をかばい交通事故で亡くなってしまい、田所病院による違法な臓器移植手術の犠牲者となっている。

といった、大切な人を失っている、自分が助けられなかったという共通点があります。
映画「仮面病棟」では、どうにかしてピエロに占拠されてしまった田所病院から逃げ出そうと奮闘する2人ですが、原作ではこの状況で速水が瞳に好意を抱いてしまい、それもあり瞳を守ろうとしています。

(※いずれの設定も原作にはなく、映画「仮面病棟」ではこのような過去設定が追加されています。)

このように、瞳と速水に「大切に想う人を失った悲しい過去がある」という共通点を持たせたことで、設定や展開がグダグダにならずに済みますし、下手に恋愛シーンを入れると、見ている方は萎えてしまい展開のスピード感も落ちてしまいます。

ピエロの目的は達成された

ピエロは目的を果たすことが出来たのか?

映画「仮面病棟」は、瞳と同様にピエロも田所病院を追い込むという「復讐」という共通点がありますが、ピエロその目的を果たすことは出来たのでしょうか?
ピエロは、瞳が田所病院に恨みを持っており復讐したい気持ちに共感していますが、ピエロはあくまでも田所病院の違法な臓器移植手術を世間に公表することが目的でした。

田所病院がとんでもないことを行っていたという事実は、速水がテレビで会見を開いたことによって世間に公表されることとなりましたが、これがピエロの望む「祖母の復讐」といえるのか、定かではありません。

速水によって世間に田所病院の違法な臓器移植手術が行われていたことが明らかになったものの、本当は自分自身でそれを成し遂げたかったのか、それとも、どんな形であっても公表さえ出来れば祖母が救われると思ったのか・・・しかしながら、これを機に憎しみを乗り越えて顏を上げて前へ進むことが出来れば、何よりもピエロ自身が救われることでしょう。

ピエロは、世間に田所病院の裏側を公表されたことに満足したのでしょうか・・・

ピエロの行動は矛盾しているようでしていない

仮面病棟に出てくるピエロですが、行動にいくつか矛盾を感じてしまうかもしれません。
例えば、ピエロがエレベーターを監視すると言い階段のところに鍵をかけて、病院内にいた瞳、速水、看護師の東野と佐々木、そして田所院長の5人を2階より上へ行かせたものの、エレベーターに乗っては上の階へ行き、エレベーターをそのままにして院内を歩き回ったりしています。

一見、「これではみんながピエロの隙を見て、エレベーターで逃げてしまうじゃないか!というより逃げられるし!」と考えてしまいがちですが、実は違います。

ピエロは、看護師の東野と佐々木、そして田所院長が警察に通報したり、自分の命欲しさに着の身着のまま病院から逃げ出す心配がないのを分かっているためです。
これは、映画の序盤での彼らの発言などで容易に理解することが出来ます。

この5人の中で病院から逃げ出すとすれば、瞳と速水ですが、ピエロと瞳は共犯ですから、そうすると速水が逃げ出す可能性があります。
しかし、常に速水は瞳と一緒に行動しており、瞳が速水を監視していることになります。

瞳が何かと速水と一緒にいたがったのは、ピエロが怖かったからではなく、田所病院から逃げ出さないように監視していた、という訳です。
ピエロひとりが悪者のように見えますが、しっかりチームプレーをしているのです。

仮面病棟「ピエロの目的」まとめ

ピエロの目的は、田所病院の違法な臓器移植手術を世間に公表することだったのがお分かりいただけたと思います。
瞳も共犯者なので、原作を全く知らない人は特に、どんな展開になるのか分かりませんし、あいつが犯人だな!と思った人が全く違うといった、良い意味での的外れも期待できます。

ピエロの目的の理由がとても悲しいので、同情してしまう人もいるかもしれません。
映画「仮面病棟」は、原作にない設定も追加されており、とにかくストーリーがよく出来ている映画ですので、スピード感がある作品がお好きな人にはぜひお勧めしたい映画です。

 

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