2018年に公開され、興行収入19億円を超える大ヒットとなった映画「スマホを落としただけなのに」の続編が2020年2月に公開されることになりました。
スマホという生活に身近なものに潜む危険性を浮かび上がらせ、若者を中心に大きな話題となった前作の続編ということで、公開前から大きな期待が寄せられています。
そして、映画に華を添える主題歌は、若者から絶大な支持を得る人気4人組バンドKing Gnuの新曲「どろん」に決定しました。
この楽曲は映画のために書き下ろされたそうで、彼らが曲に込めた思いや先日公開されたMVを見た個人的な感想などを記していきたいと思います。
主題歌を担当する歌手は?
King Gnu(キングヌー)はギター・ヴォーカルの常田大希、ドラムの勢喜遊、ベースの新井和輝、ヴォーカル・キーボードの4人からなるバンドです。
2015年に常田がバンドの前身である「Srv.Vinci」(サーヴァ・ヴィンチ)を結成し、メンバーチェンジを経て、2017年に現在のバンド名に改名します。
2019年はドラマ「イノセンス 冤罪弁護士」の主題歌『白日』で一躍有名となり、紅白歌合戦出場、同年1月に発売されたアルバムが日本レコード大賞で優秀アルバム賞受賞と飛躍の1年となりました。
ちなみにバンド名の由来は、動物のヌーが徐々に群れを成して大群を形成する習性になぞらえて、自分たちも色々な人を巻き込んで大きな群れを目指すという思いから付けられました。
楽曲はロック、ジャズ、ヒップホップ、クラシックなど様々なジャンルの要素を取り入れながらも、親しみやすいメロディーが特徴です。
映画のために書きおろし
冒頭で述べた通り、前作「スマホを落としただけなのに」の続編である「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼」の主題歌に、この映画のために書き下ろされた新曲「どろん」が決まりました。
メンバーの一人である常田は、
「映画で描かれる『愛情への不安や焦燥感』を『ネット社会の脆さ・怖さ』とシンクロさせながら描きました。刑事・加賀谷と殺人鬼・浦野の関係性に、キツネとタヌキの化かし合い的なものを感じ、そこから『どろん』というタイトルに結びつけました」
(引用元:「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼」公式サイト https://sumaho-otoshita.jp/news.html#2019121202)
と曲に込めた想いを語りました。
前作では追う者(加賀谷)と追われる者(浦野)という関係だった2人が、本作では事件解決のために協力関係になります。
しかし服役中の身であり、猟奇殺人犯の浦野なので全面的に信用するわけにはいきませんが、一方で犯人に繋がる重要人物でもあるので、浦野から情報を引き出しながら事件解決していこうとする加賀谷と浦野の駆け引きの様子が曲に表れているのではないかと思います。
さらに、King Gnuファンであるという加賀谷役の千葉雄大は、
「前からKing Gnuさんが好きでカラオケで『白日』とか勝手に歌っちゃってたんですけど、スマホの主題歌に決まったとスタッフさんに聞いた時はめちゃくちゃ嬉しくてビックリしました。僕はいつも自分のブログの最後に締めの意味で「どろん」と書いてるので、新曲のタイトルを聞いたときに『もしかしてキングヌーも僕のこと好きだったのか!?』と真剣に悩んだのですが、どうやら勘違いをしていたようです(笑)。骨太で最高にカッコいい主題歌が映画の最後に聴けるので楽しみにしていてください!」
と自身が好きなバンドが主題歌に抜擢された喜びを語っています。
さらに、企画プロデュースの平野隆氏は、
「前作、映画『スマホを落としただけなのに』では
SNSミステリーという新しいジャンルを開拓しましたが、続編である本作では、誰も読み切れない驚きの結末を目指しました。主題歌は不可思議且つ先鋭的な映画の世界観をKing Gnuさんに表現して頂きました。今回の楽曲『どろん』のイントロからエンディングまで息つく暇の無いスリリングな展開は、二転三転して先の読めない映画のストーリーそのものであり、ツインボーカルで彩られる歌詞は、千葉雄大さん演じる刑事・加賀谷と成田凌さん演じる囚われの殺人鬼・浦野の心情を想起させます。この革新的楽曲が2020年の幕開けを飾る映画『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』を大ヒットに導いてくれると確信しています。」
とコメントし、彼らを主題歌に抜擢したことへの自信を覗かせました。
物語の展開と曲がマッチした映画に仕上がっているとのことなので、ぜひKing Gnuの主題歌にも注目して映画を見て頂ければと思います。
youtubeでMV公開
映画公開に先んじて、2020年2月14日に「どろん」のMVが公開されました。
MVのテーマは「盲目の視線」だそうで、MV制作を担当したディレクターのOSRINは、
「世の中曖昧にされた情報が多い気がして、流されやすい時代やと思ってます。
我ら大衆が何に目を凝らさせなきゃいけないのかってのはずっと頭の中にあり、それをMargtと一緒に演出しました。固く、より渋く出来上がったと思います」
とコメント。
情報溢れる現代社会において何が良くて何が悪いか、盲目たる我々がどのようにしてそれを見極めていくのかを表現したと私は解釈しました。
実際MVを見てみると何やら眼鏡か拡大鏡っぽいものをつけた人たちが何人かいました。
終盤にはその眼鏡を何者かに引き剥がされる様子が描かれていました。
私なりの考えですが、眼鏡をかけずに見る世界が現実の世の中だとしたら、眼鏡はネット情報を表現していると思います。
ネットには嘘のもの、本当のもの、いろいろなものが混ざり合っているので、ネット=眼鏡越しの風景では物事の真偽を見極めることはできない。
見極めるためには己の目で確かめる他ないから眼鏡を剝がした。と勝手に解釈しました。
そして肝心の曲ですが、アップテンポな曲調と心の葛藤表した歌詞が心に響き、スリリングな映画の展開にピッタリだと思いました。
まとめ
前作のヒットもあって期待値の高い本作ですが、前作を上回るスリリングな展開、魅力的なキャスト、そして映画の世界観を表現したKing Gnuの楽曲がきっと観る者を満足させてくれると思います。